糖尿病は早期発見・早期治療、そして治療の継続が何より大切です。
健診などで糖尿病を指摘された場合など糖尿病の初期治療は、お薬での治療を始める前に、まず生活習慣の見直しを行います。管理栄養士による食事指導をお聞きいただき、運動療法と組み合わせながら血糖値の改善をはかります。
糖尿病の初期状態では、食後の血糖値だけに異常がみられます(=食後高血糖)。この早い時期から食事療法と運動療法を開始し、良好な血糖コントロールを維持することにより、病気の進展を防ぎ、合併症を起こすことなく、健常な場合とほぼ同様の生活を生涯にわたり営むことが可能になります。
糖尿病は、治療を放置したり、発見が遅れたりして合併症が出現してしまうと生活の質の低下につながり、最悪で失明や心血管病の発症などをきたし命に関わることになりかねません。
糖尿病の治療方法は主に3種類です。
食事療法
糖尿病の最も効果的で重要な治療方法です。
適切な分量の食事で、必要とする栄養を摂取できるようにコントロールします。 特に食べてはいけない食品があるわけではありませんが、外食や間食、アルコール等は1日に摂取するエネルギー量が過剰になりやすいので、注意が必要です。
必ず医師の指導の下、バランスの良い食生活を送りましょう。当院では管理栄養士による食事指導を適宜行います。
運動療法
食事療法と同様、糖尿病の基本となる治療方法です。
運動によってブドウ糖や脂肪酸の体内での利用を促進させ、血糖値の低下、およびインスリン抵抗性の改善を行います。
但し、合併症がある場合、薬剤で治療している場合は運動が制限されることもありますので、運動の種類や時間・回数等、必ず医師の指導の下、適切な運動を心がけましょう。
薬物療法
糖尿病の薬物療法には、経口血糖降下薬とインスリン注射があります。 1型糖尿病ではインスリン注射をします(経口血糖降下薬を組み合わせることもあります)。
2型糖尿病では食事療法や運動療法で改善されない時に、経口血糖降下薬やインスリン注射を使います。特にインスリン注射は、不足している、もしくはうまく作用していないインスリンを補い、自分の膵臓を休める役割もあります。したがって、最も体に優しい治療法です。決して糖尿病がひどくなったから用いるものではありません。
糖尿病治療の目標は良好な血糖コントロールを維持することで合併症を予防し、健康寿命を延ばすことです。ご自身が主役となり、私たち医療スタッフがサポーターとなります。ともに取り組んでいきましょう。